5月25日、東急電鉄8500系の8631編成が長津田工場へ回送、引退となりました。
8500系は、1975年から導入された東急の通勤型車両。新玉川線(現・田園都市線渋谷~二子玉川間)、地下鉄半蔵門線への乗り入れに向け、当時東横線などで走っていた8000系をマイナーチェンジするかたちで投入されました。最終的には10両編成38本、5両編成4本の計400両という、東急屈指の大所帯にまで成長。「田園都市線を走る東急の車両は8500系だけ」という時期もありました。
2002年以降、5000系の導入で一部の8500系は置き換えられたものの、260両はその対象外となり、引き続き運転されてきました。しかし、2018年に2020系が投入され、置き換えが再開。2022年春、最後に残った8631編成と8637編成も2023年1月までの引退が発表され、4月20日、両編成に引退記念のヘッドマークが掲出されました。8631編成は、それから約1か月という早い段階で引退を迎えることになりました。
これにより、8500系の赤い帯の車両が消滅。また、装飾のないステンレスの地肌のみの側面スタイル、車内の扇風機、ドアチャイムのない扉の開閉なども、見られなくなります。細かいですが、東急の一時代の区切りともいえるでしょう。
現在、8500系は青い帯の8637編成を残すのみ。引退の日まで、無事に走り切れることを願うのみです。