鉄道会社にとって、お客様に気持ちよく乗っていただくことは、サービスの面でとても大切です。そのため、車両はいつもきれいであることが理想ですが、人間より何倍も大きい車両を洗うのは大変!そこで、短い時間で車両を洗えるよう、多くの鉄道会社では洗車機が導入されています。
洗車機は、大きなブラシのついた機械を線路の両側に置くスタイルが多く、スイッチが入ると放水とともにブラシが勢いよく回転します。ここに車両をゆっくりと通すことで、車体をブラシで洗えるという仕組みです。なお、ブラシが届かない正面部分や連結面は人の手で洗うことが多いのですが、最近は正面や車体の上(天井)部分も自動で洗える機械も開発されています。このほか、ブラシや窓の洗浄液が置かれている駅もあり、運転士などが停車時間に軽く手入れすることもあります。
また、洗車は汚れたときだけでなく、車両に色を塗りなおすときなどにも行われます。人が肌をきれいにしてから化粧をするように、車体の再塗装も、まずは磨くことから。機械で洗うことで、塗りなおす前の汚れがより少なくなり、お色直しの仕上がりがきれいになるのです。JR東海では、車両を検査する名古屋工場で、正面や天井を自動で洗う機械が使われています。
より安全に、美しく。そんな洗車ができることを目指し、新たな技術開発は今日も続いています。