ある県の駅を出たら、次の駅は隣の県というのはよくある話ですが、その次がまた異なる県の駅という例があります。そんな1駅ごとに所在地の県が変わる区間は、私鉄で1例、JRの在来線で2例。それらを紹介します。
私鉄の例は、東武日光線の柳生~藤岡間。埼玉県加須市にある柳生駅、群馬県板倉町にある板倉東洋大前駅、栃木県栃木市にある藤岡駅と「1県1駅」が続き、普通列車で順に下車すれば3県を短時間で訪ねることができます。
柳生駅から東に500mほどの場所には、埼玉、群馬、栃木の「三県境」もあります。平地にある三県境は全国的にも珍しく、「3歩で三県」が同スポットのフレーズになっています。
JRの例の1つは宇都宮線。栗橋(埼玉県久喜市)、古河(茨城県古河市)、野木(栃木県野木町)の3駅で、こちらも普通列車を乗り降りすれば手軽に3県をまわれます。なお、東武の柳生駅の南隣は新古河駅ですが、こちらは加須市。仮に古河市内に新古河駅があれば、同駅から藤岡駅まで4駅で4県ということになります。
JRのもう1例は肥薩線。矢岳(熊本県人吉市)、真幸(宮崎県えびの市)、吉松(鹿児島県湧水町)と続き、3駅で3県を旅できます。あいにく2020年7月の豪雨の影響で、その区間を含む八代~吉松間が不通に。「日本三大車窓」の1つもある区間だけに、鉄道での復旧を期待したいところです。
上記3例のほか、新幹線では上野~小山間(東京、埼玉、栃木)、名古屋~新神戸間(愛知、岐阜、滋賀、京都、大阪、兵庫)が1駅ごとに所在地の県などが変わる区間に該当します。下りの「こだま」の場合、新大阪駅で乗り換える必要があるので、通しで1駅1府県を6回続けて楽しむなら名古屋駅始発の「ひかり」531号、535号がおすすめです。