2024年春、最高速度が時速300キロのE8系が投入される予定の山形新幹線。新幹線区間の最高速度が、時速275キロで走る現在のE3系から向上し、東北が近くなる予定です。
ところで、E8系の最高速度は、同じミニ新幹線で時速320キロ運転が可能な「こまち」用E6系より抑えられていますが、所要時間の短縮効果はどのくらいなのでしょうか。また、もしE6系が「つばさ」運用に入るとどのくらい早いのでしょうか。線形や防音設備などは置いておき、単純に車両性能だけを考慮して、所要時間を計算するツールをスプレッドシートで作ってみました。
今回対象とする区間は、現在「つばさ」号に対して速度制限がなく、最高速度275キロ運転可能な宇都宮~福島間の146キロ(実キロ)。E3系、E8系、E6系の所要時間をそれぞれ計算してみます。また、想定するのは始発列車の「つばさ121号」とします。宇都宮を発車した後、すぐに最高速度まで加速し、郡山駅手前まで速度を維持した後、停車。通過待ちなしで発車し、同様に最高速度を最大限維持し、福島駅へ向かうと考えます。
最高速度は、E3系が時速275キロ、E8系が時速300キロ、E6系が時速320キロで、加速度はE3系が1.6キロメートル毎時毎秒、E6系は1.71キロ。E8系の性能は発表されていませんが、ここでは仮にE6系と同じと想定します。また、本来は速度が上がるにしたがって加速度は落ちていきますが、ここでは単純化し、最高速度になるまで1秒間に時速1.71キロ(E3系は1.6キロ)ずつ加速すると考えます。減速度は、新幹線では制動開始から低速域到達まで徐々にブレーキ力を強めていく仕組みであることから、単純化して各車両とも2.0キロメートル毎時毎秒で一定で減速すると仮定します。
その計算結果は、E3系では38分となりました。実際のダイヤより3分ほど短い所要時間となっていますが、実際の細かい走行パターンは考慮していないので、誤差として許容します。そしてE8系だと36分、E6系だと34分という結果になりました。
もちろん、他列車のダイヤとの関係もありますから、各車両の性能を最大限生かし切れるかはわかりません。しかし、「もし車両が入れ替わったら?」と考えるのも面白いのではないでしょうか。
今回作成したGoogleスプレッドシートは公開していますので、好きな区間・車両を想定してお使いいただけます。皆さんの架空鉄のお役に立てれば幸いです。
スプレッドシートは以下のリンクから閲覧できます。左上メニューの「ファイル」からコピーするか、ダウンロードしてお使いいただけます。