今週一週間(6月13日~19日)のニュースから、鉄道コム注目の話題をご紹介します。
15日、JR西日本は「うめきた(大阪)地下駅」に導入する設備「デジタル可変案内サイン」「フルスクリーンホームドア」について発表しました。「デジタル可変案内サイン」は、デジタルサイネージを用いた案内表示。列車の運行状況に応じた運行情報の変化といった機能のほか、利用者のスマートフォンと連携し、個々の利用者専用の案内を表示することも可能だといいます。
「うめきた(大阪)地下駅」は、大阪駅の北側、かつて貨物駅があったエリアに設けられる大阪駅の新設地下ホームで、「うめきた新駅」の名称でもよばれてきました。開業は2023年春の予定で、すでに1年を切った状態となっています。
もう一つご紹介したいのは、JR東海が16日に発表した、「新幹線車両によって架線電圧を維持する機能」のニュースです。
架線から電気を得て走る電車は、多くの電車が同時に走行すると、架線の電圧が低下し、加速性能が落ちるなどの悪影響が出てしまいます。そこでJR東海が開発したのが、主変換装置(直流電車のVVVFインバータ制御装置に相当)が電流を制御することで、架線の電圧低下を抑える機能。このような、車両が架線電圧を維持する仕組みは、世界初の技術だといいます。
東海道新幹線ではこれまで、地上変電所の増強や、地上電力設備「電力補償装置」21台の設置といった電圧降下対策を取ってきました。今回の機能が東海道新幹線全編成に導入されれば、1割の変電所と約半数の電力補償装置が削減できる見込みで、さらに年間約2000万kWhの電力使用量低減、約3億円の電気料金と約1万トン相当のCO2排出量の削減にも繋がるといいます。
東海道新幹線という大動脈を運行する一方、車両の統一など、鉄道ファンからは「地味」だと言われることもあるJR東海。ですが、今回のような技術開発によって「のぞみ12本ダイヤ」のような高頻度・高速運転が成り立っていることは、もっと知られるべきだと筆者は個人的に考えます。