鉄道コム

鉄道コらム

航空連合「スターアライアンス」にドイツ鉄道が加盟 日本の鉄道が加わる可能性は?

2022年7月9日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

ドイツの「ルフトハンザドイツ航空」を運営するルフトハンザグループは現地時間7月4日、ドイツ鉄道が8月1日付で、航空連合「スターアライアンス」にインターモーダルパートナーとして加わると発表しました。これまで航空会社のみが加盟していたスターアライアンスにとって、今回のドイツ鉄道は初めての異業種の加入。なぜ航空業界と鉄道がタッグを組んだのでしょうか。

ルフトハンザのスターアライアンス特別塗装機
ルフトハンザのスターアライアンス特別塗装機

実は、ドイツ鉄道とルフトハンザは、1982年から両社が連携し、「ルフトハンザ・エアポート・エクスプレス」を運行してきました。この列車は、ドイツ鉄道が運行する列車にルフトハンザの航空便名を付け、列車を国内線航空便の代わりとするものでした。この「ルフトハンザ・エアポート・エクスプレス」は1993年に廃止されましたが、その後も航空便と列車の連携は続いており、「ルフトハンザエクスプレス」というサービスでは、高速鉄道「ICE」の一部座席が航空機乗り継ぎ客用に確保され、該当座席のチケットは航空便として扱われています。

ドイツ鉄道の高速鉄道「ICE」((c)Markus Mainka- stock.adobe.com)
ドイツ鉄道の高速鉄道「ICE」((c)Markus Mainka- stock.adobe.com)

今回のドイツ鉄道とスターアライアンスの連携は、このドイツ鉄道とルフトハンザの連携サービスに基づくもの。「ルフトハンザエクスプレス」同様にICEが接続航空便として販売されるほか、航空便との乗り継ぎ時にはICE乗車区間でも航空会社のマイルの積算対象となります。

スターアライアンスでは、将来的にインターモーダルパートナーシップを拡大する予定としています。そこで気になるのが日本の鉄道会社が加盟する可能性ですが、筆者はこれは難しいのではないかと考えます。

ドイツでは、航空機では採算が取りづらい区間で鉄道と連携してきたほか、国際空港へ高速鉄道が直接乗り入れるという土壌がありました。一方の日本では、航空会社は大都市間輸送に大型機を投入しており、鉄道と航空ではシェアを上手く分け合っています。また、空港連絡鉄道は、ほとんどが空港と近隣市街地のアクセスを担うのみで、航空輸送と広域鉄道輸送が連携している例は多くありません。

とはいえ、たとえば2029年度に開業を予定するJR東日本の「羽田空港アクセス線」が完成したタイミングで同社が加盟し、特急「ひたち」などが連帯輸送を担う、といったことは考えられます。いずれにせよ、今回のドイツ鉄道の加盟はスターアライアンスにとって初の事例となるので、今後の展開次第では、日本の鉄道会社が加盟する可能性はゼロではありません。

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

鉄道コムおすすめ情報

画像

東急9000系が「赤帯」に

大井町線用の東急9000系9001編成が、デビュー時の正面「赤帯」デザインに。4月12日に運転開始。

画像

新京成線改め「松戸線」誕生

新京成電鉄が京成電鉄に吸収合併され、新京成線は「京成松戸線」に。記念式典も開催されました。

画像

【PR】「リセマラ」推奨⁉ のデジタルスタンプラリー

ランダム性が楽しい若桜鉄道のスタンプラリー。豪華な賞品もある企画を体験しました。

画像

幻の東京圏「改良計画」とは?

1950年代の国鉄は、東京圏を今と違った形に改良する計画を持っていました。その中身とは?

画像

4月の鉄道イベント一覧

いよいよ新年度。鉄道旅行や撮影の計画は、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。