鉄道路線図を眺めていると、駅名の先頭1~2字が同じものが続く区間があることに気付きます。2駅や3駅続けてというのは多々ありますが、中には4駅以上という例もあり、実際に現地に行くと間違えてしまう可能性も。今回はそうした例をご紹介します。
地名などの前に東西南北の方位をつけて駅名にするケースは各地で見られますが、方位を示す同じ漢字が4駅続く希有な例が全国に2区間あります(路面電車を除く)。富良野線の西御料、西瑞穂、西神楽、西聖和の「西」3字駅連続、札幌市営地下鉄南北線の北12条、北18条、北24条、北34条の「北」4字駅連続です。
富良野線の「西〇〇」で所在地の地名と駅名が一致するのは、西御料(旭川市西御料)と西神楽(同市西神楽南)のみで、西瑞穂、西聖和はいずれも旭川市西神楽にあります。瑞穂は駅開業当時の付近の字名、聖和は皇室の御料地にちなんだ旧地名とされていますが、それらに方位が付されたものが駅名になったことで西始まりの駅が続く形になりました。
北12条~北34条のような連続するケースではないですが、北で始まる駅が飛び飛びに出てくる例として常磐線各駅停車の北千住~北柏間があります。両駅間は24キロほど。その間に北松戸、北小金が入るため「北~」駅の密度が高くなっています。
方位以外では旧国名などが続く区間が挙げられます。2022年8月現在、それらの最多は長崎本線の肥前山口~肥前飯田間で「肥前~」が7駅続きます。肥前山口駅が江北駅に改称されると6駅連続になり、とさでん交通桟橋線の「桟橋~」6連続と並ぶことに。これらに続くのは、札幌市電の「西線~」、只見線の「会津~」、広島電鉄江波線の「舟入~」、伊予鉄道本町線の「本町~」の各5連続などがあります。
路線図を見ているとちょっとした発見があるものです。興味がわいたら実際に訪ねてみるのもいいと思います。