山手線を貫き、東京から西へ延びるJR中央線。オレンジ色の快速電車には、白いヘッドライトに上半身が太め(拡幅車体)のE233系がおもに使われています。が、時々、黄色いライトで車体が直線的な、少し古そうな見た目の車両に出会いませんか?
これは209系1000番台と呼ばれる車両で、もともとは常磐線各駅停車と東京メトロ千代田線を走っていました。E233系の2世代前の車両で、中央快速線に転用されたのは2019年のこと。古い車両をわざわざ入れたのは、同線で進められているグリーン車の連結と関係があります。
現在、中央快速線のE233系には、グリーン車2両を連結するための改造が順次行われています。しかし、改造には時間がかかり、全車両の改造が終わるまで、運用に入れない車両が増えることになります。そこで、2018年秋に常磐線を引退した209系を中央快速線に転用し、改造で抜ける車両の穴を埋めることになったのです。人間でいうと、定年退職後の再雇用にあたるでしょう。なお、209系のスケジュールは固定されており、ダイヤが乱れない限り、基本的には同じ時間に走ります。
E233系の改造終了とともに、209系は2度目の引退を迎えると思われます。が、中央線のグリーン車導入は最初の予定から大きく遅れており、2022年8月現在も開始時期はハッキリしていません。はたして、209系の延長雇用は、いつまで続くのでしょうか。