9月23日にいよいよ開業する西九州新幹線ですが、それに先立つ11日には、大村車両基地で「かもめ」用N700Sを全4本並べた報道向けの撮影会が開催されました。
4本の「かもめ」が並ぶ横で、筆者が見つけたのが、オレンジ色の小屋のようなものが載った車両。まるで「トロッコ」のようです。開業後に開催されるイベントで来場者を乗せるためのものかと考えましたが、それにしては簡易トイレを載せた車両もあり、イベント用にしてはどうも変な様子です。
JR九州の担当者に話を聞いてみると、これは西九州新幹線の「完成検査」の際に使用したものだということ。たしかに、トロッコには建築物が範囲内に収まっているかを確認するための車両が連結されていたり、これらをけん引する軌陸車「ウニモグ」も確認できました。
完成検査とは、鉄道事業法で定められたもので、鉄道施設の工事を実施した際、線路や電気、信号、土木など、列車を安全に運行することに支障がないか、国土交通省が確認するためのもの。西九州新幹線の場合は、8月17日から26日にかけて検査が実施され、9月8日に完成検査合格書が交付されています。
検査が終了した今、すでにこのトロッコは用途を終えています。ですが、トロッコ自体はレール運搬用の保線車両のようで、今後は新幹線の安全運行を支える裏方として活躍することになりそうです。
なお、西九州新幹線の建設工事を担当した鉄道・運輸機構のYouTubeチャンネルでは、このトロッコから見た映像を含む動画が公開されています。