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注意書きが見分けるポイント 箱根登山線をゆく新たな小田急車両

2022年11月3日(祝) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

箱根登山鉄道の路線でありながら、営業列車を小田急の車両のみで走らせている小田原~箱根湯本間。同区間の各駅停車は長らく、1000形4両編成のレーティッシュ鉄道色(赤い車両)がほぼ専用で使われていましたが、2022年9月に最後の1本が引退。現在は、同じ1000形のリニューアル車4両編成が、この運用を引き継いでいます。

登山線小田原エリアの新たな主力となった1000形リニューアル車(左)と、引退した1000形レーティッシュ色編成(右)
登山線小田原エリアの新たな主力となった1000形リニューアル車(左)と、引退した1000形レーティッシュ色編成(右)

新たな登山線の主力となったリニューアル車ですが、早くもこの区間向けの編成が登場したようです。該当の編成に乗ってみると、運転台の部分に「編成禁止」という注意書きがあります。これは、ほかの車両と編成を組んではいけない、という意味。小田急線では2022年現在、4両編成と他編成を連結し、8~10両編成をつくる場合があります。この連結を禁止されると、運用の場は4両編成単独で走る線区に限られます。現状の4両編成の運用は、箱根登山線(小田原~箱根湯本間)と、海老名にある車庫への送り込みのみ。結果として、「編成禁止」の注意書きがある編成は、登山線運用が主体の車両であることを意味するのです。

実質的な箱根登山線専用を示す「編成禁止」の注意書き(速度計の上)
実質的な箱根登山線専用を示す「編成禁止」の注意書き(速度計の上)

2022年10月時点で、編成禁止状態の1000形リニューアル車は、1063編成、1064編成、1065編成の3本。これらは登山線の運用を主体としながら、現在も小田急一般色の姿で走っています。今後、編成禁止車両の増減や他編成との入れ替えはあるのか、以前のレーティッシュ色のような専用カラーへ変更するのかなど、その動きに注目です。

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