JR西日本などは6日、「JR西日本 懐鉄NFTコレクション」を販売すると発表しました。
NFTとは、「Non-Fungible Token」の略。簡単に説明すると、デジタルデータの唯一性や固有性を担保することが可能な仕組みです。これまでのデジタルデータでは、コピーや改ざんが可能なため、あるデータの唯一性が証明しづらく、資産価値を見出すことが困難でした。NFTでは、仮想通貨にも使われるブロックチェーン技術を活用することで、データの唯一性を担保。これにより、デジタルアートやデジタルトレーディングカードに、従来のアート作品やトレーディングカードのような価値を持たせる、といったことが可能となっています。
今回JR西日本グループが販売するのは、「トワイライトエクスプレス」や「やくも」などの32列車をモデルとした「トレーディングカード」「3Dフィギュア」「トレインマーク」。いずれも各列車100個限定で、固有のシリアルナンバーが刻まれます。
JR西日本の広報担当者によると、「鉄道業界によるNFT事業への参入は恐らく初めて」ということ。また、これはJR西日本グループのデジタル戦略の一環として参入したとのことですが、そこで販売する商品がトレーディングカードや3Dフィギュアというのは、筆者からすると少し不思議な印象。ですが、新規事業に手を付けた際、観測気球として上げるには、鉄道事業者としては適切な商品設定なのではないでしょうか。
また、極端なことを言ってしまえば、一般的なトレーディングカードは興味がない人から見れば「ただの紙」。ですが、それに価値を見出す人たちからは、時にはとてつもない金額を付けられることもあります。今回のJR西日本グループによるNFTも、将来的にはものすごい価格で取り引きされるようになる……のかもしれません。
今回のNFTは、NFT総合マーケットプレイス「LINE NFT」にて、10月14日から11月14日まで、毎日1列車ずつ順次販売を開始。いずれも限定数に達し次第販売終了となります。また、10月8日には、500系の3Dフィギュアを先行販売。こちらは500個限定です。