10月18日~21日に、千葉県の「幕張メッセ」で、技術展示イベント「CEATEC 2022」が開催されました。さまざまな企業が、IoTや電気自動車、メタバースなど、現在トレンドの最新技術を数多く出展。その中で筆者が気になったのが、電子ペーパーによる吊り革広告です。
電子ペーパーは、視認性に配慮し、なおかつ表示の変更が可能というもの。液晶ディスプレイとの違いは、表示を保持する際に電気をほとんど(あるいは全く)使わないことで、省エネ性に優れています。Amazonが販売する電子書籍端末「Kindle Paperwhite」のような小型デバイスがよく知られていますが、低電力消費を活かした大型サイネージの製品も提案されています。
この電子ペーパーを手掛けるクレアが出展していたのが、吊り革の「革」部分に取り付けるデバイス。この部分に設置する紙広告は以前からありますが、これを電子ペーパーにしてしまおうというものです。Bluetoothなどで通信が可能で、スマホアプリで広告データの書き換えが可能。表示内容を1時間に1回更新したとしても、内蔵電池は約10か月交換なしで使用できるといいます。
電子ペーパーを使用した鉄道車両内の広告は、過去にJR東日本で中吊り広告として試験的に導入されたことがありますが、日本では本格的に採用された例はないとのこと。一方で、今回の製品は、台湾の地下鉄で導入された実績があるといいます。近年は電子ペーパーも視認性などの面で進化しており、この機能を武器に日本市場で市場を広げることができるのか、注目されます。