週明けの24日は、京浜急行電鉄が「23年ぶりの大幅ダイヤ改正」とする11月26日のダイヤ改正概要を発表。日中の「快特」の半数が格下げされるなど、利用者や鉄道ファンをざわつかせました。そんなニュースが飛び出た今週一週間(10月24日~30日)、今回は引退する鉄道車両の話題をご紹介します。
24日、JR九州は、蒸気機関車8620形58654号機を、2023年度をもって営業運転を終了すると発表しました。58654号機は、「ハチロク」の愛称を持つ8620形のうち、435両目に製造された機関車。落成は1922年で、今年で100歳を迎えます。一般の鉄道路線の本線上を走る現役車両としては、この58654号機が最古参です。
1988年に「SLあそBOY」として復活した58654号機は、2005年には重故障で一旦は引退状態となったものの、2009年に一部部品を新製して復活。肥薩線を走る「SL人吉」として活躍していました。しかし、肥薩線は2020年の豪雨で被災し現在も不通。定期的な活躍の場を失った58654号機は、老朽化に加え、部品調達やメンテナンス要員の確保が困難になったことで、引退することとなってしまいました。
今週は、他にも車両の引退が話題となりました。その車両は485系。国鉄時代に製造された、交直両用の特急型電車です。かつては全国を走り回っていた485系ですが、製造当時の面影を残す車両は既に全廃されており、残るはJR東日本が所有する波動用車両の「華」と「リゾートやまどり」だけ。そしてこの2本についても、2022年度中に引退すると報道されました。
「華」は、団体臨時列車での利用を想定したお座敷車両で、いわゆる「ジョイフルトレイン」の一つです。近年増加する観光列車用途の車両ではなく、団体輸送を目的としたジョイフルトレインは、国鉄末期~JR初期に製造・改造されたものが多数で、近年はその多くが引退。現在も引退が発表されていないのは、JR西日本の客車「サロンカーなにわ」のみです。かつての団体鉄道旅行が華やかだった時代を今に伝える「華」ですが、これまでに引退したジョイフルトレインはほとんどが解体されており、この車両も保存は望み薄でしょうか。