東急線との直通運転を間近に控える相鉄線。現在、同線は独自の色である「YOKOHAMA NAVYBLUE」をまとう車両が新製投入されていますが、かつては緑と赤の車両が主流でした。
相鉄線は昔から、塗装変更の多い路線でした。鋼製車の標準塗装は、1950年代は青とグレーに赤い帯を入れたものでしたが、1970年代に黄緑(若草)色に変更されています。アルミ車は赤、ステンレス車の10000系は淡い緑とオレンジの帯のスタイルで登場しましたが、2007年、同社のコーポレートカラー変更を機に、一部を除き青とオレンジの帯を入れたものに変わりました。
そして2016年春、「YOKOHAMA NAVYBLUE」の車両がお目見えします。この色は、2017年に相鉄グループが100周年を迎えること、都心への直通が迫ることを機に、同グループのブランドイメージアップを狙って制定したもの。普遍的で流行にとらわれず、次の100年が経っても変えないという決意のもと、色を決めたのだとか。
一方、羽沢横浜国大駅を介しての都心直通プロジェクト(現在の相鉄新横浜線)が、遅れながらも進みます。2019年11月にはJR線との直通が始まり、2023年3月には東急線ともつながります。乗り入れてくるJRの車両は緑色、東急の車両は一部を除き赤色。かつての相鉄車両と色合いは異なるものの、両線との直通により、緑と赤の電車が復活するとも言えそうです。
相鉄線の都心直通において筆者が一番嬉しかったのは、「緑と赤の電車が相鉄に戻ってくること」でした。なお、東急の車両の一部は、赤とダークブルーという、相鉄線の今と昔の色を組み合わせたようなカラーリングです。相鉄線の色の歴史がうかがえるような色が、直通車両で見られる。こうしたところに直通の「縁」を感じるのは、筆者だけでしょうか。