既存の駅の隣または近くに新しい駅がつくられる際、その駅名の先頭でよく使われるのが「新」。新幹線の駅名ではおなじみですが、在来線や私鉄にも多く見られ、同一事業者、同一路線に限った場合での組合せは全国に50余りあります。
このうち筑豊本線の飯塚駅と新飯塚駅、小田急線の百合ヶ丘駅と新百合ヶ丘駅など、隣り合う組合せは40ほど。隣接していれば両駅間の距離は近いのが相場と考えてしまいそうですが、離れている例も意外と多いことがわかりました。
それらを順に挙げると、青森~新青森(3.9キロ)、大阪~新大阪(3.8キロ)、水俣~新水俣(同左)、三田~新三田(3.2キロ)、栃木~新栃木(3.0キロ)といった具合。上位3件はいずれも新幹線と接続する駅を含む組合せですが、新大阪駅、新水俣駅が新幹線開業にあわせて新設されたのに対し、新青森駅は東北新幹線延伸を見越して設置されたという違いがあります。
隣り合う組合せでない例では、下関~新下関(7.2キロ)、倉敷~新倉敷(9.3キロ)などがあります。このパターンで最も離れているのは山口~新山口の12.7キロ。両駅間の駅数も6駅と多く、今回の例の中では最多です。
駅ができた順で見ると、〇〇駅が先で新〇〇駅が後というのが大勢ですが、その逆の例もあります。私鉄では、東武伊勢崎線の伊勢崎駅、新伊勢崎駅、えちぜん鉄道の福井駅、新福井駅の2例。同時期にその駅名で開業した例としては、栃木、新栃木のほか、大井川鐵道の金谷、新金谷、豊肥本線の水前寺、新水前寺などがあり、その駅間距離も長短さまざまです。
同じエリアにあって会社や路線が異なる例も含めると、全国には少なくとも110組ある〇〇駅と新〇〇駅。経緯や由来を調べてみるとまた違った発見があると思います。