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SLだけでなく客車も貴重! 真岡鐵道「SLもおか」の客車

2022年12月10日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

真岡鐵道の「SLもおか」は、秩父鉄道の「パレオエクスプレス」と並び、東京から気軽に乗りに行けるSL列車。けん引するのはC12形という小型の機関車ですが、D51形のような大型機関車にも劣らない迫力が魅力的です。

真岡鐵道の「SLもおか」
真岡鐵道の「SLもおか」

そんな「SLもおか」の客車は、旧国鉄が導入した50系客車。実は、SLだけでなく、こちらの客車も貴重な車両なのです。

50系客車は、当時の国鉄が1977年に導入した車両。客車列車の近代化を目的として、5年間で1000両弱が製造されました。しかし、当時は客車列車の電車化・気動車化も進行。その結果、製造から廃車まで約10年という、鉄道車両としては短命に終わった個体も数多く存在しました。

50系は、地方都市圏での通勤通学輸送に対応して設計された車両です。そのため、扉付近はデッキで仕切られているものの、客室内はデッキ付近の座席をロングシートとしたセミクロスシート配置。ロングシート部分には吊革も設けられました。

セミクロスシート配置で吊革もある50系。真岡鐵道でもそのままです
セミクロスシート配置で吊革もある50系。真岡鐵道でもそのままです

近年のSL列車は観光列車と同義で、「SLばんえつ物語」や「SLやまぐち号」のように、客車の内装をグレードアップしたものもあります。これに対する「SLもおか」の客車は、室内はほぼ原形のまま。ロングシートや吊革のあるSL列車に乗るという、今では珍しい体験ができます。

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