2022年12月、JR東日本の「リゾートやまどり」が引退します。この編成は、国鉄が製造した特急型車両「485系」最後の生き残り。この編成の引退によって、485系の現役車両は消滅することとなります。
485系シリーズは、1964年に登場。日本で初めて、交流電化と直流電化の双方に対応した車両でした。当初は対応周波数別に481系と483系の2形式が作り分けられていましたが、1968年に双方へ対応した485系が登場。全国の電化区間を走行できる車両となりました。
全国で幅広く活躍した485系ですが、特急列車の削減や編成短縮によって余剰が生まれると、特急用途以外への改造車両も生まれます。面白いところでは寝台特急「北斗星」の食堂車といった例もありますが、メジャーなのはJR東日本のジョイフルトレイン。「華」「シルフィード」「リゾートやまどり」など、計12種類(うち3種類は再改造で名称変更)が登場しました。これらは一部を除くと車体は新造されており、見た目は通常の485系とは別物となっています。
そんな485系も、老朽化や新型車両の導入によって、次第に置き換えが進められます。2011年の特急「雷鳥」廃止とJR九州での置き換えで、製造当時の外観を残す車両は定期運転を全て終了。車体を載せ替えていないリニューアル車両も、2016年の特急「白鳥」廃止で特急運用を、2017年のダイヤ改正で全ての定期運用を、それぞれ終えました。
そして、ジョイフルトレインの引退も進み、最後に残った「リゾートやまどり」も、2022年12月に引退と報道されました。12月11日以降の臨時列車への充当は発表されておらず、この日のツアー列車が最後の営業列車となるようです。