鉄道ファンに人気のある「甲種輸送」ですが、この情報を掲載していた鉄道雑誌が、2月末分をもって掲載を取りやめると、相次いで発表しました。
甲種輸送とは、「甲種鉄道車両輸送」の略称で、メーカーで製造された鉄道車両を、所属事業者までJR貨物の機関車がけん引する、鉄道車両自体を貨物として運搬するもの。新車を一足早く見ることができ、またデビューしてからは走らないような場所を通過することから、多くの鉄道ファンの被写体の対象になっています。
本来であれば外部には施行情報が出ないはずの甲種輸送ですが、これまではJR貨物が鉄道雑誌に資料を提供しており、部外者のファンでも施行を知ることができました。しかし今回、JR貨物からの資料提供が困難になったといい、雑誌での情報掲載が終了することとなりました。
各社とも、情報提供終了についての詳細な理由は発表していません。が、本来発表する必要のない情報を提供してきたということは、すなわちJR貨物側の厚意であって、それを取りやめるということは、昨今の鉄道ファンの「暴走」を重く受け止めているということの現れではないでしょうか。
とはいえ、以前から雑誌に掲載されていない甲種輸送列車が走ることは多々あり、それでもファンが群がることもありました。近年ではSNS上で非公開の情報が出回る例も見られます。雑誌掲載取り止めは情勢として致し方ないのですが、撮影する鉄道ファンは今後どうするべきか、今まさに問われているのではないでしょうか。