追加料金の要否などの違いはありますが、大手私鉄各社には種別としての「特急」が設定され、相互乗り入れを含め、多様なルートで運転されています。
それら特急は停車駅もさまざま。特急創設当初から変わらないものもあれば、新たに停車するようになったり、列車によって停車する・しないがあったりというケースもあります。中には、すべての特急列車が停まっていたのに、ダイヤ改正等にあわせて停車しなくなってしまったという駅も。今回は、関東エリアの大手私鉄でのそうした例をとりあげます。
東武東上線では、1971年~2008年に特急が走っていました。現行種別「川越特急」が2019年に登場する以前の話です。志木駅は、往時の東上線特急の停車駅の一つ。長らく特急が停まる駅でしたが、1998年3月のダイヤ改正で通過駅に変更となり、その後は川越特急も含め、特急列車が停車することはなくなりました。2008年の「快速急行」新設とともに、その停車駅となり面目を保ったものの、2023年3月のダイヤ改正によりそれも終了。「快速」廃止とあわせ、同駅に停まる最上位の優等列車は急行になる見込みです。
西武秩父線の芦ヶ久保駅も、志木駅と同じタイミングで特急「ちちぶ」「むさし」が通過する駅になりました。特急「おくちちぶ」は停車していましたが、同特急が2003年に廃止されると、定期的な特急の停車はゼロに。それでも「あしがくぼの氷柱」などの行楽シーズンに限り、一部の特急列車が臨時で停まるため、いわゆる降格にあたる印象は弱めです。
小田急線では近年、特急「ロマンスカー」の停車駅が増える傾向にありますが、2018年のダイヤ改正では、向ヶ丘遊園駅、新松田駅が特急停車駅から外れました。2016年の多摩線での特急運用廃止に伴い、唐木田駅などが外れたのも一大トピックだったと言えるでしょう。
特急をはじめとする優等列車の停車駅の変化は、ダイヤ改正の一つの目玉。見直しがされる前に押さえておきたい駅をめぐる旅も面白いと思います。