2023年3月18日のダイヤ改正では、中央線快速から青梅線経由で直通する「ホリデー快速あきがわ」が廃止されます。これにより、「ホリデー快速」として運転される列車は、「ホリデー快速おくたま」のみとなります。
ホリデー快速は、週末などの行楽客が多い時期に数多く運転されてきた列車。「おくたま」「あきがわ」のほか、富士急行線へ直通する「ホリデー快速河口湖」(後に「ホリデー快速富士山」)、武蔵野線から鎌倉駅へ向かう「ホリデー快速鎌倉」、215系を使用した「ホリデー快速ビューやまなし」、大宮駅と八王子駅とを武蔵野線経由で結んだ「ホリデー快速むさしの」など、さまざまな列車が首都圏で運転されてきました。
一部のホリデー快速では、当初は165系や169系、末期には183系やE257系など、波動用に転じた優等車両が使われることがありました。ホリデー快速でも種別は「快速」なので、特急料金や急行料金は不要。全車指定席の場合もありましたが、それでも500円程度の指定席券を購入すれば乗車できたので、「乗りトク」の列車ともなっていました。
しかし2010年代に入ると、次第に列車の整理や発展解消が進みます。2010年には、土休日のみに運転されていた「むさしの」が、毎日運転の定期列車「むさしの号」に昇格。2019年には、「富士山」が特急列車の「富士回遊」に生まれ変わりました。「ビューやまなし」は、2021年の215系引退で事実上廃止に。「鎌倉」も、2022年11月以降は特急列車となっています。
最後に残った「おくたま」「あきがわ」も、先述した通り、2023年3月のダイヤ改正で後者が廃止。前者も、定期列車の運転区間が新宿~奥多摩間から新宿~青梅間に短縮され、青梅~奥多摩間は多客期のみ運転の列車に分割されます。
中央線快速や青梅線では、グリーン車の導入に向けた準備が進んでおり、今回の改変もこの一環と考えられます。風前の灯火となったホリデー快速。グリーン車が営業運転を開始する2025年ごろまでに、最後まで残った列車にも動きがあるのかもしれません。