鉄道コム

鉄道コらム

電車とディーゼルカーが連結して走る 北海道のレア車、キハ201系

2023年3月12日(日) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

日本の鉄道車両といえば、架線から得た電気でモーターを回して走る「電車」と、エンジンを回して走る「気動車(ディーゼルカー)」の2つが主力です。近年では「ハイブリッド式気動車」や「蓄電池式車両」も生まれていますが、それでも日本ではまだまだ気動車が非電化路線の主役となっています。

この電車と気動車は、その仕組みが大きく異なることから、基本的には両者が連結して走ることはありません。ただし、北海道では国内で唯一、キハ201系が日常的に電車との連結運転を実施しています。

協調運転して走るキハ201系(左)と731系(右)
協調運転して走るキハ201系(左)と731系(右)

キハ201系は、函館本線小樽以西の非電化区間から札幌駅へ直通する列車の輸送改善を目指して、1997年に導入された車両。高出力のエンジンを搭載し、電車並みの性能を実現することで、電化区間のラッシュ時ダイヤで足手まといとならない車両となりました。加えて、兄弟車である731系とは、加減速を連動する「協調制御」を実現。一般型車両では前例のなかった、電車と気動車の協調連結運転を実現させました。

電車と気動車が連結すること自体は、それほど難しいものではありません。かつては、北海道の定山渓鉄道や、国鉄→JR西日本の「ゆぅトピア」などが、電車が気動車をけん引する形で実施していました。ただし、これらは電車と気動車の動力を協調するものではなく、気動車はいわば客車状態でした。

協調運転を初めて実現したのは、JR九州の特急「有明」と「オランダ村特急」。「オランダ村特急」自体は特急「ハウステンボス」に置き換えられ廃止されてしまいましたが、その技術がキハ201系に活かされたのです。

日本の鉄道史に残る画期的な車両であるキハ201系ですが、その導入目的となった小樽以西~札幌方面の列車としては、1日2往復に充当されているのみ。しかも、特徴である協調運転を実施しているのは、朝の札幌方面に向かう普通列車1本だけとなっています。かつてはその性能や収容能力を活かし、学園都市線(札沼線)で運用されていたこともありましたが、同線の電化によって運用は消失。現在は、平日日中の小樽~札幌~江別間での運用も含め、もっぱら函館本線で走るのみとなっています。

 

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

鉄道コムおすすめ情報

画像

高崎・盛岡に新型気動車

ハイブリッド気動車「HB-E300系」2025年度下期デビュー。八高線や釜石線などに投入。

画像

東武の車両「記録推奨度」

この車両、いつまで走る? 引退が危ぶまれる車両や、見た目が変わりそうな車両をご紹介。今回は東武編です。

画像

4000系が「機関車風」塗装に

「西武秩父線開通55周年記念車両」11日運転開始。4000系をE851形を模した塗装に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、高倍率ズーム・広角レンズ編です。

画像

京都鉄博に381系

12月12日~17日に特別展示。16日までは、一部で「スーパーくろしお」色ラッピングも実施。

画像

11月の鉄道イベント一覧

数百件の情報を掲載中。鉄道旅行や撮影の計画には、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。