JR東日本横浜支社は17日、南武支線にE127系を投入すると発表しました。これにより、既存の205系が置き換えられることになります。
今回導入するE127系0番台は、これまで新潟エリアで活躍してきた車両。2022年3月ダイヤ改正までは2両編成2本が運用に就いていましたが、同改正で定期運用から撤退。そして今回、活躍の場を関東に移すことが発表されました。南武支線の投入に際しては、車体帯を変更するほか、車内防犯カメラや転落防止幌の設置といった改造が実施されるといいます。
このE127系の投入によって、既存の205系は置き換えられる予定です。しかし、205系が3本在籍しているのに対し、投入できるE127系は2本のみ。残る1本の置き換えはどうなるのでしょうか。
まず考えられるのは、今後も205系を長く使う案。しかし、1本だけ機器や設備が異なる車両の運用を継続するのは、営業上、メンテナンス上ともに好ましくありません。特に205系は、車両基地を共有する南武線用車両とは異なり、直流モーターを使用する古い車両。短期間ならともかく、今後10年、20年も使用するのは、メンテナンス面でデメリットが大きくなります。
では、車両を新製して投入するのはどうでしょうか。こちらも、メンテナンス面のデメリットは削減されますが、やはり1本しかいない車両の投入は、運用面でも製造コストでも好ましいことではありません。線路が繋がる鶴見線と同時に新車を投入できれば多少は改善されますが、鶴見線と南武支線では両数が異なるという問題があります。
もう一つ考えられるのが、南武線や南武支線で試験を続けているFV-E991系「HYBARI」の営業投入。この水素燃料電池車両「HYBARI」は、E127系と同じ2両編成3扉で、設備面ではE127系に近い状態です。ただし、こちらも205系同様、1編成のみの存在。決して新しくないE127系の投入は、将来のHYBARI追加投入の布石と考えることもできますが、HYBARIは2022年に実証実験を開始したばかりで、量産化の実現時期は不明です。
JR東日本横浜支社によると、今後はE127系2本と205系1本で南武支線を運行していくとのこと。残る205系1本の引退は、とりあえずは先送りとなるようです。