インドネシアの首都、ジャカルタでは、日本で活躍した鉄道車両が多数活躍しています。しかし現在、その車両の置き換え計画が、インドネシア国内で問題となっています。
ジャカルタ首都圏で活躍する日本の中古車両は、JR東日本が譲渡した205系と203系、東京メトロで活躍した6000系、7000系、05系、元東急の8000系、8500系です。その大多数を205系が占めており、203系や05系などは少数が細々と運用に就いている状態です。
インドネシアの現政権では、自国産製品のシェア率向上を目指し、鉄道車両の輸入ではなく国産車両の製造を目指しています。ジャカルタ首都圏の鉄道を運行するKCIでは、3月9日にインドネシアの鉄道車両メーカー(INKA)との車両導入契約を締結。2025年までに16本の車両導入が予定されています。
しかし、05系などの一部車両は、既に機器の耐用限界が迫っている段階で、国産車両の製造を待っていられる状態ではないようです。KCIでは、国産車両の導入を契約する前から、日本製の中古車両の導入を希望していました。2022年にはJR東日本のE217系の譲受を申請していますが、国産車両の導入を望むインドネシア政府の許可が下りず、今後の車両動向は不明なままとなっています。現地メディアは、国産車両の導入では、既にタイムリミットに近づいている車両は置き換えが間に合わない可能性があると伝えています。
現状の問題が長引けば、ジャカルタ首都圏の鉄道路線は大幅な減便を余儀なくされるということで、現状の混雑に拍車が掛かることは明白です。インドネシア政府が政策を通すのか、それともE217系の譲渡が実現するのか、現在その瀬戸際に立たされています。