東急東横線と目黒線では、ホームドアの位置から大きくずれて停まることがないように、「TASC」という支援装置を採用しています。
TASCは、停止位置にピッタリ止めるため、自動でブレーキを掛けるシステム。天候や車両状態の変化、運転士の技量や体調に左右されることなく、ホームドアの開口幅に設けられた余裕、目黒線では前後35センチ、東横線では前後45センチ以内に、車両を止めることができるのです。
なお、列車を止めるTASCに、自動で列車を加速させる機能などを加えたものが、自動列車運転装置「ATO」です。東急では加速は手動ですが、東横線や目黒線の車両はATOに対応しており、東京メトロ副都心線や都営三田線などの直通先では、ボタンを押して自動で加速する機能が日常的に使用されています。
ともにTASCを採用している東横線と目黒線ですが、東急の広報担当者に運転操作方法を聞くと、「東横線は手動、目黒線はATO」という答えが返ってきました。
先述した通り、目黒線では加速操作は手動で、その他の路線のATOとは異なります。ただし、駅停車時にはマスコンハンドルを操作せず、TASC任せで自動で停車しています。
一方の東横線では、TASCこそ採用しているものの、駅停車時にはマスコンハンドルを操作。基本的には運転士が操作し、停止位置に向かうブレーキパターンを超えそうになった場合のみにTASCが介入するというシステムのようです。
では、東横線と目黒線の両線の列車が走る東急新横浜線では、運転操作はどうなるのでしょうか。先の広報担当者は「新横浜線は東横線同様、手動で停車します」と説明。この区間では、目黒線系統の車両では普段は見れないブレーキ操作が見られるようになります。