10年前の2013年3月31日、JRグループ旅客各社が発売していた「オレンジカード」が、発売終了となりました。
オレンジカードとは、国鉄時代に販売が開始されたプリペイドカード。自動券売機や自動精算機で利用可能なもので、きっぷを購入するための金券のようなカードでした。後発の「イオカード」や「Jスルーカード」などとは異なり、そのまま改札口に投入して利用することはできませんでした。
券売機できっぷを購入する=引き換えるという手間があるため、イオカードなどより利便性は優れていたわけではないオレンジカードですが、改札機に投入可能なカードは利用可能エリアが限られていたのに対し、オレンジカードは全国のJRの自動券売機で利用可能でした。
そのためか、当時のJR各社ではオリジナルのオレンジカードを多数発売しており、田舎の駅でも限定カードが発売されていたことがありました。現代の記念きっぷのような立ち位置でしょうか。また、「トワイライトエクスプレス」のような観光要素のある列車では、車掌が車内でオレンジカードを売っていたこともありました。
イオカードやJスルーカードのようなプリペイド乗車カードに加え、「Suica」や「ICOCA」といった交通系ICカードも登場すると、オレンジカードの売上は減ってしまい、ついに2013年に発売終了となりました。額面が高額のオレンジカードについては、偽造カードが発生したこともあり、すでに利用自体も不可能となっています。一方で、1000円などのカードについては、発売終了から10年が経過した2023年現在も、対応券売機では利用することが可能です。