普通列車のほとんどがE531系によって運転されている常磐線の取手~原ノ町間ですが、一部の列車では、少数形式のE501系が充当されています。
現在は郊外で活躍するE501系ですが、もとは上野~土浦間の混雑緩和を目的として導入された車両でした。
1995年のE501系デビュー当時、上野駅から取手駅以北へ直通する普通列車の主力は415系。一部にはロングシート車両もいたものの、基本はセミクロスシートの形式で、取手駅以南の快速で主力だった103系の4ドアに対し、乗降口が少ない3ドアと、定員、乗降のスムーズさの双方で、通勤ラッシュに適した車両とは言えませんでした。
209系に準じた車体で登場したE501系は、全車ロングシートで、10両編成+5両編成の15両編成を組成。運用は上野~土浦間に限られたものの、取手駅以北直通列車がE531系に統一される2007年までの12年間、もっぱら同区間で活躍を続けてきました。
2007年以降は土浦駅以北に転じ、水戸駅を中心に普通列車で活躍してきたE501系ですが、ここ数年は運用が減少傾向にありました。特に2023年3月のダイヤ改正では、E531系による水戸~いわき間でのワンマン運転が開始。E501系の運用は、朝夕に限られたものになってしまいました。
2023年で、デビューから28年となるE501系。現在の運用ではまだまだ完全引退には至らないと考えられますが、現在進められているE531系の機器更新が終了する頃には、もしかするとE501系の役目も終了……となるのかもしれません。