かねてから新型車両(6000形)への置き換えが進んでいる神戸市交通局の西神・山手線ですが、2023年3月に6156編成が投入されました。6000形は28本体制となり、1000形、2000形、3000形の置き換えに必要な車両の導入が完了しました。
……が、同線にはもうひとつ、長年走り続けている車両があります。現在は市営化のうえ「北神線」となっている、元・北神急行電鉄の7000系です。
7000系は1988年、北神急行電鉄の開業時に投入された車両。緑色をベースとした交通局の車両とは異なる、ベージュを基調としたカラーリングが大きな特徴でした。2005年以降、車体側面に「Hokushinkyuko Railway」のロゴの追加、制御装置の交換、行先表示のLED化など、いくつかの節目を経験します。2019年から6000形の投入が始まるものの、7000系は1本も廃車されず、現在に至ってきました。なお、7000系の運用は、北神急行時代から交通局の車両とは分離されており、それは市営化された現在も同じです。
しかし、交通局が発表した2020年度の予算説明書を見ると、「2022年度までに新型車両28本を導入(交通局保有の既存車の置き換え分)。北神線車両(7000系)については、2023年度を目途に全編成を更新する」という記載があります。7000系にも、置き換えの波は確実に近づいているのです。
2022年6月のダイヤ改正で、これまで1~2本あった7000系の日中の運用が消滅しました。また、5本が存在する同車の一部は、廃車にはなっていないものの、同年のダイヤ改正を機に運用を離れています。2023年度以降の置き換えに向けた動きは、すでに出ているようです。
デビューから35年。緑色の電車が行き交う西神・山手線のアクセントとして沿線を彩ってきた7000系ですが、彼らがいる日々は、それほど長くないようです。
【5月10日:記事表記を一部変更しました】