大阪環状線から京都府南部・奈良方面に向けては、大和路線や近鉄奈良線など、さまざまな鉄道路線が延びています。その一つが、JRの学研都市線。京橋駅と木津駅を結ぶ路線です。
ところで、この学研都市線という路線名は、実は愛称。この路線の正式名称はご存じでしょうか?
学研都市線の正式名称は、片町線。京橋駅の西側の地名から採られたもので、かつては片町線もこの地の片町駅が起点でした。
1895年に開業した片町駅は、舟運との接続を考慮して、南北を川に挟まれた場所に建設されました。貨物営業のためには良い立地でしたが、特に戦後において、旅客面では好立地であるとはいえず、大阪市電や京阪線の片町駅が廃止された後は、近隣で接続する路線がない駅となってしまいました。
そして、1998年に京橋~尼崎間のJR東西線が開業するとともに、片町線の片町~京橋間は廃止。JR東西線の大阪城北詰駅が代替となる形で、片町駅は約100年の歴史を終えました。現在では、片町へ行かない片町線は正式名称で案内されることはほぼ無く、もっぱら学研都市線として案内されています。