東京を走る地下鉄は、東京メトロと東京都交通局の2社局が運行しています。また、2018年4月には、大阪市交通局の鉄道事業が民営化され、大阪メトロに。この東京メトロと大阪メトロの2社によって、日本では地下鉄=メトロという認識が浸透しているのではないでしょうか。
このメトロは、「大都市」「首都」などを表す英単語「metropolitan」(またはフランス語のmétropolitain)に由来するもの。1900年に開業したフランス・パリの地下鉄運営会社が「パリ・メトロポリタン鉄道」(Compagnie du chemin de fer métropolitan de Paris)と名乗っており、これが略されて「メトロ」となり、さらに他の地下鉄でも使われるようになったといいます。
さらにさかのぼること1863年には、ロンドンで開業した世界初の地下鉄が、「メトロポリタン鉄道」という会社により運営されていました。この世界初の地下鉄は、現在もロンドン地下鉄のメトロポリタン線として残っています。
ただし、世界初の地下鉄を開業させたイギリスでは、地下鉄は地下を表す「アンダーグラウンド」(The Underground)、またはトンネルを見立てた「チューブ」(The Tube)と呼ばれるのが一般的です。
日本では、メトロの他にも「サブウェイ」(subway)が外国語訳として使われることがあり、たとえば都営地下鉄は英語訳を「Toei Subway」としています。
subwayは、アメリカ英語の単語。「sub」には、潜水艦を「submarine」と呼ぶように、「下に」といった意味があります。「way」=「道」と組み合わせることで、「道の下」という意味としたようです。
アメリカ英語では地下鉄を表すsubwayですが、イギリス英語では地下歩道といった意味合いのため、イギリスで「subway」という看板を見て、「地下鉄の駅だ」と思ったら全然違った……という笑い話(?)もあります。