今週(4月3日~9日)1週間の鉄道ニュースの中から、鉄道コム注目の話題をご紹介。まずは交通系ICカードのニュースです。
JR東日本は4日、交通系ICカード「Suica」について、新しい改札システムを導入すると発表しました。
これまでの改札システムでは、各駅の改札機などが運賃計算を実施するものでした。各駅ごとに処理を分散しているため、ある駅のシステムが故障して改札機が通れなくなっても、他の駅には影響が及ばないという、トラブル発生時の影響を少なくすることが可能なシステム構成です。
新たなシステムでは、この処理をセンターサーバーが担う形に変更。処理をクラウド化することで、サービスの拡大につながる機能向上や、将来の改修時におけるコスト削減が図れるといいます。
クラウド化は、利用者には関係のない裏側の話。では、新システムの導入で、利用者にはどのような恩恵があるのでしょうか。
JR東日本では、これまでわかれていたSuicaエリアの統合や、柔軟なSF割引商品の提供など、さまざまな新しいサービスが実現可能になるとしています。システムは2023年度から順次導入ということで、将来的には利用者にも大きなメリットが生まれそうです。
もう一つの話題は、国鉄型の機関車。JR四国で活躍してきたDE10形が、3月末に引退したと報道されました。
かつては旅客列車から貨物列車まで幅広く活躍していた機関車ですが、客車列車が激減した現代のJRでは、JR貨物を除き、臨時列車のけん引や車両の回送などのわずかな用途に使われるのみ。JR東海では既に機関車が全廃されており、JR東日本でも機関車置き換え用車両の導入を進めています。
JRグループでは、JR貨物のほか、JR九州が近年機関車を新造導入しているため、JR旅客全社で機関車が全廃されることは当分なさそう。とはいえ、先に全廃されたJR東海と、今回全廃となったJR四国につづき、その他のJR旅客会社が保有する電気機関車・ディーゼル機関車が見られなくなる日も、そう遠いことではないかもしれません。