鉄道コムと鉄道旅行誌「旅と鉄道」は、共同企画として「私の好きな〇〇」の投票を実施しています。今回ご紹介するのは、2023年2月10日から3月1日まで実施した「今訪れてみたい廃線」。投票者のコメントとともに、上位を獲得した路線をご紹介します。
3位を獲得したのは、名鉄三河線の両端区間。現在も猿投~知立~碧南間で運転されている三河線ですが、2004年以前は猿投~西中金間、碧南~吉良吉田間も運転されていました。廃止されたこの両端区間は、合理化のため、大手私鉄では珍しいディーゼルカーで運転されていたのが特徴。ユーザーからは、この車両に触れたものや、今も残る吉良吉田駅の三河線ホームに郷愁を覚えるといったコメントが寄せられました。
2位となったのは、横浜近辺の東急東横線旧線。2004年に開業したみなとみらい線に代わり廃止された横浜~桜木町間で、近隣にはみなとみらい線直通のために地下化された東白楽~横浜間の地上線跡も残されています。「都会の廃線といった感じでいい」といった現状に対するコメントのほか、「残っていたら東武西武メトロ等の車両が走っていたんだよな」と、歴史のifを想像するコメントなどが寄せられました。
そして、1位に選ばれたのは、信越本線の横川~軽井沢間。1997年に廃止された、「ヨコカル」の別名を持つ区間です。国鉄→JRでは最急勾配となる66.7パーミル(1000メートル進むと66.7メートル上る勾配)を有しており、EF63形電気機関車など、この区間専用の機関車が用意されていました。
ユーザーからのコメントは、「言うまでもなく聖地」「EF63が力強く山を登る姿がとても勇ましい」といったものが多数。現在は一部区間が遊歩道「アプトの道」として整備されていることに触れ、手軽に訪問できることを評価するコメントも寄せられました。
また、「一般公開されていないので無理ですが、熊野平~軽井沢間を歩いてみたい」と、「アプトの道」の先も踏破したいというコメントがありました。こちらについては、「廃線ウォーク」ツアーが定期的に開催されているので、有料ではありますが訪問可能。遊歩道として整備されていない「生」の廃線跡を楽しむことができます。