台湾の国鉄にあたる台湾鉄路管理局は、4月26日にダイヤ改正を実施。このダイヤ改正で、DR2800型、DR2900型、DR3000型という、3つの優等列車用気動車が引退します。
台鉄の車両は、その多くが国外からの輸入車両となっており、日本製の車両も多く使われています。今回引退する3形式も、日本製の車両。DR2800型は東急車輛製造(現:総合車両製作所)、DR2900型とDR3000型は日立製作所で製造された車両でした。DR2800型は、先に投入されたDR2700型(引退済み)同様、どことなく日本の車両らしい顔つきをしており、ステンレス化した伊豆急行100系といった印象を与えています。
これら3形式は、日本の特急に相当する「自強号」用に投入されたもの。DR2800型は1982年、DR2900型は1986年、DR3000型は1990年にデビューし、主に台湾東部・南部の非電化区間を走る優等列車を中心に活躍してきました。
一方で、これらの気動車による自強号が運転されていた区間では、路線改良として電化工事も進められていました。2020年には南部の区間が電化され、ついに台湾を一周する線路全てが電化路線に。非電化路線はローカル線のみとなり、自強号用気動車はその存在意義を失ってしまいました。
今回引退する3形式は、ダイヤ改正前日の4月25日が、定期運用の最終日。ダイヤ改正当日には、台北近郊の樹林駅から、台湾東部の花蓮駅まで、さよなら列車が運転される予定です。
なお、自強号用の気動車としては、1998年にデビューしたDR3100型(こちらも日本製)も在籍しており、こちらはダイヤ改正以降も運用が続きます。とはいえ、既に自強号が走る全区間が電化されている現状では、このDR3100型が最後の自強号用気動車となってしまうようです。