JR東日本とジェイアール東日本物流は17日、列車荷物輸送サービス「はこビュン」による、多量輸送のトライアルを実施すると発表しました。
はこビュンは、新幹線や特急列車の車内に荷物を積み込み、輸送するサービス。早朝に水揚げされた魚介類や、同じく早朝に収穫された農産品を、新鮮なうちに都市部へ運び、午後には商品を店頭に並べる、といったことが可能。貨物列車のように、大きな荷物を運ぶことはできませんが、速達性に優れる新幹線や特急列車の特性を活かしたサービスです。
今回のトライアルで輸送する商品は、スーパーマーケットで販売する鮮魚・魚介類や惣菜・スイーツ・清酒、埼玉県内や都内に輸送する電子部品など。6月16日に運転する、10両編成の臨時列車「はやぶさ」72号のうち、6~8号車を荷物搭載車両として設定します。JR東日本によると、これまで1両まるごとを荷物スペースとし、最大で200個程度の荷物を輸送したことはあったそうですが、3両を使用する規模のものは初めてとのこと。これにより、約600箱の荷物を新幹線で運ぶことができます。
加えて、荷物の積み込み箇所が、新青森駅の構内ではなく、新青森駅付近の車両基地、盛岡新幹線車両センター青森派出所となっている(一部は盛岡駅で積み込み)のも、目新しいポイントです。車両基地を使うことで、駅ホームよりもスペースや時間の確保が可能となるのです。加えて今回は、無人搬送車(AGV)を試用し、搬送作業の生産性向上などについて検証するといいます。加えて、荷物を降ろす大宮駅では、屋上駐車場での荷捌きオペレーションについても検証します。
JR東日本では、2023年度中に新幹線車両基地を活用した多量輸送のトライアルを複数回予定しているとのこと。新幹線という地上最速の公共交通機関を活用した輸送サービスのさらなる拡大が期待されます。