今週(5月15日~21日)1週間の鉄道ニュースの中から、鉄道コム注目の話題をご紹介。まずは、北の地を走った車両の引退の話題です。
JR北海道では5月20日、新型電車737系の営業運転を開始しました。これまで室蘭本線などで活躍していたキハ143形を置き換える車両で、同社のキハ143形は前日の19日に営業運転を終了しました。
パッと見は普通の気動車のようなキハ143形ですが、実はもともとは機関車にけん引される客車を改造したもの。合理化で余剰となっていた50系客車にエンジンを載せ、自走できるように改造したキハ141系のグループで、JR北海道では1990年から30年以上にわたって使用してきました。
キハ141系の他にも、客車にエンジンを載せた改造車両はいくつか存在しましたが、これらは成功作と呼べるほどの数は登場していません。キハ141系の場合は、車体と性能、運用路線がマッチしたのか、客車時代よりも長い間使われる成功作として、役目を終えることとなりました。
なお、キハ141系の一部は、JR東日本では20日以降も「SL銀河」用客車として運用が続きます。しかし、こちらも老朽化のため、6月に引退する予定となっています。
もう一つご紹介するのは、19日に発表された夏の臨時列車の話題。8月10日に開催される「伊東按針祭花火大会」にあわせ、JR東日本では臨時特急「伊東按針祭花火大会号」を東京~伊東間で運転します。この2往復のうち1往復が、常磐線特急「ひたち」などで使われるE657系での運転となることが発表されました。
E657系は、常磐線の臨時「ひたち」「ときわ」ではよく使用されていますが、他路線を走る臨時列車となると稀。さらに常磐線と関係ない区間のみでの運転は、鉄道コム調べではこれが初めてとなります。
JR東日本では、かつては255系による「ビューかいじ」、E653系による「フレッシュ草津」、E259系による「マリンエクスプレス踊り子」など、通常運用区間とは異なる路線を走る臨時特急列車を時折運転していました。さすがに定期的な運転は難しいとは思いますが、たまには他の路線を走る車両が見られると面白そうです。