日本自動車工業会は24日、2023年秋に開催する「JAPAN MOBILITY SHOW」について、企画概要を発表しました。
自動車の大規模展示会として開催されてきた東京モーターショーですが、2023年度からはJAPAN MOBILITY SHOWとして、自動車だけでなくモビリティ全般を扱うイベントとして生まれ変わります。その展示ゾーンの一つとして、「モビリティが変える未来の東京」がテーマの体感型コンテンツ「Tokyo Future Tour」が設けられます。
このゾーンは、移動や生活、災害時、遊びやスポーツ、フードコートの4つの項目で、モビリティが変える未来を紹介するもの。この中の「LIFE&MOBILITY」ゾーンでは、JR東日本のFV-E991系「HYBARI」のような車両が、イメージ画像に描かれています。
HYBARIは、水素を燃料として走る鉄道車両の実現に向け、JR東日本が2022年に導入した試験車両。従来のディーゼル車のように化石燃料を燃やすのではなく、水素を用いて発電した電気で走行することで、排出物が水だけという、クリーンな鉄道走行システムの実現を目指して試験が続けられています。
自動車業界では、トヨタ自動車が燃料電池自動車「MIRAI」を市販していたり、同じくトヨタの燃料電池バス「SORA」がバス事業者各社に導入されていたりと、絶対数は少ないながらじわじわと導入されています。JR東日本のHYBARIは、トヨタが開発した燃料電池装置を採用するなど、自動車業界の知見も得て開発されています。ただ一つの業界単独で取り組むのではなく、複数業界で連携して新燃料の普及に繋がる動きを見せることで、社会的な動きを作り出す狙いもあります。
日本自動車工業会では、Tokyo Future Tourについて、経団連モビリティ委員会から56社の他産業からの参加が決定していると発表しています。具体的な参加企業については今後改めて発表するということで、イメージ画通りにJR東日本が参加し、HYBARIが展示されるのかは現時点では不明。ただし、自動車だけでなくモビリティ全般を扱うという今回のイベントでは、自動車だけでなく、空飛ぶクルマ、そして鉄道と、さまざまな移動業界の参加が期待されます。
JAPAN MOBILITY SHOWは、2023年10月~11月に東京ビッグサイトで開催。一般公開日は、10月28日~11月5日を予定しています。