JR西日本は、岡山・備後エリア向けの新型車両、227系500番台「Urara」の営業運転を、7月22日に開始すると発表しました。これとともに、これまで使われてきた117系も、定期列車での運用が終了すると発表。40年以上活躍してきた117系の定期列車の運用が、まもなく終了することとなります。
117系は、1980年にデビューした車両。関西圏の新快速用に投入されたもので、新快速用としては初の新製投入車両でした。その車両設備は、2扉・転換クロスシートという、当時の国鉄としては豪華なもの。阪急や京阪といった競合路線の車両を意識したもので、当時まだ残っていた急行列車以上の設備となりました。
その後、117系は名古屋エリアにも投入される一方、2扉では乗降に時間が掛かるため、JR発足後は後継車両に置き換えられます。京阪神で活躍した車両は、一部が岡山エリアや和歌山エリア、下関エリアに転属。岡山エリアでは、岡山~福山間などを結んだ快速「サンライナー」に投入され、同地区専用の塗装となって活躍しました。
JR東海では2013年に引退し、JR西日本でも近年は運用の幅が狭まっていた117系。2023年3月で関西エリアでの運用は終了し、定期運用が残るのは岡山エリアのみ。これも「Urara」の投入によって、ついに定期運用を終了することになりました。ただし、「Urara」のデザインコンセプト「豊穏の彩」には、「サンライナー」時代の117系の塗装も盛り込まれています。車両こそ消えますが、デザインの精神は新しい車両に引き継がれることとなります。
また、JR西日本が運転している「WEST EXPRESS 銀河」も、実は117系の改造。今では少なくなった夜行列車をリーズナブルに体験できるこの列車で、117系は今後も走り続けていきます。