りんかい線を運行する東京臨海高速鉄道では、新型車両の導入に向けた準備を進めています。
東京臨海高速鉄道では、1996年の開業時に導入した70-000形を8本使用しています。この70-000形のベースとなったのは、JR東日本が導入した209系。JR東日本では4世代後のE235系が運用に就いており、70-000形は既に旧世代の車両となっています。機器類は更新を受けたとはいえ、開業時導入の車両で製造から30年弱、最も新しい車両でも約20年が経過。これを置き換えることで、東京臨海高速鉄道は快適性の向上を図る狙いです。
同社が2022年に発表した中期経営計画では、新型車両は2024年の運行開始を予定しているということ。車体幅を拡幅することで、混雑時の圧迫感を緩和するほか、車内案内表示器や空気清浄機能の搭載、全車両への防犯カメラ設置、通話機能を有した非常通報器の搭載、現行車両よりも50ミリ低い車両床面高さなど、利便性・快適性の向上、バリアフリーの促進などを目指した車両となるようです。
新型車両について、具体的な仕様はまだ発表されていませんが、筆者はJR東日本の車両をベースとしたものになるのでは、とみています。というのも、先述したように、現行の70-000形は209系をベースとしたもの。車両構造をJR東日本のものと揃えることで、製造コストやメンテナンスコストの削減を図ったのです。加えて、りんかい線は埼京線や川越線と直通運転しているため、機器仕様をJR東日本のものに揃えれば、乗務員の取り扱いも複雑になりません。実際に、埼京線と直通運転している相鉄では、直通開始時にE233系ベースの12000系を導入しています。
東京臨海高速鉄道の「経営改革プラン(2023年度改訂版)」では、これまでに車両の仕様や車両搬出入の方法などが検討され、予定通りに進んでいることが記載されています。2024年のデビューとなれば、まもなくその詳細が発表される時期と考えられることでしょう。