今週(5月29日~6月4日)1週間の鉄道ニュースの中から、鉄道コム注目の話題をご紹介。まずは、日本最後の「トロリーバス」の話題です。
「立山黒部アルペンルート」を構成する乗り物を運行している立山黒部貫光では、日本唯一となったトロリーバスを運行しています。しかし同社では、このトロリーバスの運行を終了する意向であることが、一部で報道されました。
架線から電気を得て走るトロリーバスは、法律上は「無軌条電車」という鉄道の仲間。かつては、東京や大阪といった日本の都市部でも運行されていましたが、バスなどに置き換えられて消滅。2019年、同じアルペンルート内の関電トンネルトロリーバスが運行を終了したことで、立山黒部貫光の路線が国内最後の路線となっていました。
このトロリーバスは、見た目はバスながら、音が電車そのもので、計器類や信号も鉄道らしい部分があるという、鉄道ファンなら否が応でも気になる存在です。現時点で同社からの正式発表はありませんが、長い活躍はもう望めないようです。
もう一つのニュースは、高輪ゲートウェイ駅付近で出土した「高輪築堤跡」の話題。JR東日本では5月31日、この築堤跡について、2027年度の現地公開を目指すと発表しました。
鉄道開業時の線路敷の跡地である高輪築堤跡。周囲一帯はもともと再開発エリアとして指定されていたため、再開発計画の変更を余儀なくされたのだとは思いますが、それでもこのように史跡として保存されることになったのは喜ばしいこと。加えて、同社ではVRやARなどを活用して、開業時の列車走行を再現するともしています。どのような形かはまだ不明ですが、山手線で最も新しい駅の横で、最も古い鉄道の歴史を感じられるようになりそうです。