東武鉄道の60000系がデビューしたのは、2013年6月15日。今年でデビュー10周年を迎えます。
60000系が活躍する東武野田線(東武アーバンパークライン)では、これまで他路線からの転用車両ばかりが投入されてきました。もとは別の会社が敷設した野田線で、東武鉄道として同線に初めて投入した完全新製車両が、この60000系なのです。
60000系の投入に前後して、野田線では10030型・10050型が他路線から転用され、60000系とともに8000系の一部を置き換えました。かつては鋼製車体の車両しか見られなかった野田線ですが、今やすっかり銀色の車体が定着した路線となっています。
ところで、東武では2024年度以降、野田線に5両編成の新型車両を導入し、既存車両を置き換えていくと発表しています。同社広報に確認したところ、60000系の処遇については検討中のようですが、新型車両導入にあわせて5両編成化を実施するよう。一部のメディアでは、6両編成の60000系から1両を抜き取り、4両編成で製造した新型車両に組み込むと報道されています。
なお、東武鉄道の一般車両では、モーター搭載車と非搭載車(あるいは搭載台車と非搭載台車)の比率「MT比」を1対1とするのが基本となっています。これは、走行性能とメンテナンスコストの両立を図ったもの。モーターの数を抑えることで整備の手間を増やさず、かつ必要な性能は確保するというもので、同様の思想は他社でも見られます。
仮にMT比1対1の60000系から単に中間車を抜くだけだと、MT比は3対2あるいは2対3になります。冗長性を考えると後者は考えにくいのですが、前者もモーター車の比率が高くなってしまいます。単純な組み替えか、車両入れ替えとともなうのか、それとも転属か……。60000系の今後は妄想を掻き立てられます。