1987年4月のJR発足からはや36年。在来線を走る特急列車の停車駅に着目するとこの間の変化は決して小さくなく、かつては当たり前のように停まっていた特急が通過するようになって久しい駅も数多く存在します。
新幹線の延伸や新規開業に伴い、並行区間が第三セクターに転換したことなどで特急そのものの運転がなくなった例も多々ありますが、今回は1987年、2023年と変わらずに特急が運転されるJRの在来線区間において、特急の定期列車(夜行、臨時など除く)の停車がなくなった駅を紹介します。
定期運転の特急がすべて停まっていたものが、今はゼロになってしまった例としては、伊東線の来宮駅が挙げられます。同線を経由する「踊り子」は、JR発足時は来宮駅、網代駅とも全列車が停車。網代駅は現在も一部の踊り子が停まる一方で、来宮駅は2013年3月の改正で定期特急の停車はなくなりました。
奥羽本線の秋田~青森間では、「つがる」が運転され、全列車とも停車駅は統一されていますが、1987年4月は「たざわ」や「いなほ」などが走り、停車駅には複数のパターンがありました。当時、大久保、土崎、早口、川部の4駅には、たざわが各2本停車していたものの、後に特急停車駅から外れ、2023年春現在、つがるの停車はありません。
常磐線の「ひたち」が定期特急として運転を始めたのは1970年。JR発足時も下り27本、上り26本が走り、停車パターンも多様でした。当時は北千住(10本)、松戸(9本)、我孫子(25本)、取手(2本)、大津港(4本)、植田(5本)、四ツ倉(8本)、小高(8本)にも停車していたひたちですが、いずれも過去の話に。逆に、特急停車駅としてその後に加わった駅は、日暮里、龍ケ崎市、牛久、ひたち野うしく、荒川沖、赤塚などがあります。
もともと特急が運転されていた区間に、特急停車駅として新たに加わった駅は全国的に見られます。顕著なのはJR九州で、少なくとも18駅ありました。同社管内では、1987年、2023年の比較で特急停車駅から外れた駅はなし。これはJR北海道でも同様でした。
今後もダイヤ改正などを機に、在来線特急の再編や停車駅の見直しがなされることでしょう。特急が停まる間にぜひという駅をピックアップして、重点的に訪ねるのもいいと思います。