関東鉄道では7月、キハ310形の営業運転を終了します。
キハ310形は、1977年にデビューした車両。46年にわたり、常総線沿線の利用者を支えてきました。車体は20メートル級の3ドアで、通勤需要が多い常総線に対応したものでした。
そんなキハ310形は、実は国鉄が製造したキハ10系(キハ16形・キハ17形)を改造して導入された車両でした。元になった車両で一番古いものは1954年の製造で、実に70年近く活躍してきたことになります。
キハ10系と呼ばれる気動車グループは、1953年以降に製造された、戦後国鉄における量産型気動車の第1陣にあたるものです。現在の純粋なディーゼル車でも一般的な液体式(トルクコンバータ式)変速機を、量産型車両では初めて採用したもので、以降の国鉄気動車における技術を盛り込んだマイルストーンとも言える形式でした。
このキハ10系を譲受した関東鉄道では、改造扱いで車体を載せ替え、キハ310形としました。この時点では走行機器はキハ10系時代のものを流用していたのですが、1980年代に台車、1990年代にエンジンなどを換装。結果、現在では扇風機などの小物類を除き、国鉄時代の面影はなくなってしまいました。
キハ310形が引退する関東鉄道では、同じく国鉄気動車を改造(ただしこちらは新製扱い)したキハ0形が在籍しています。キハ310形と見た目がほぼ同じのキハ0形ですが、こちらはまだ4両が運用に就いており、今後もしばらくは活躍が見られそうです。