1週間の鉄道ニュースの中から、鉄道コム注目の話題をご紹介するこのシリーズ。今回の1本目は、西日本エリアのローカル線の話題です。
先週(6月30日)からの豪雨で、西日本では、一部で洪水や土砂崩れといった被害が出るほどの影響を受けました。鉄道路線も例外ではなく、久大本線は大分県内の由布院周辺で7月下旬まで運転を見合わせることとなったほか、山口県内を走る山陰本線や美祢線では、橋の流失などにより、再開の目処が立たないほどの被害を受けています。
ここ数年の豪雨では、毎年のように鉄道路線が被災し、長期間の不通を余儀なくされています。たとえば、2020年7月の豪雨で被災した肥薩線は、現在も復旧の目処が立っていません。2017年7月の豪雨で被災した日田彦山線は、鉄道としての復旧は断念され、今年8月にBRT(バス・ラピッド・トランジット)として復旧する予定です。
被災した美祢線を抱えるJR西日本では、特に中国地方のローカル線の収支が厳しいと度々表明しており、今回の被災で美祢線がそのまま廃線となるのでは、と懸念する声も聞かれます。山口県の村岡嗣政知事は、これを機に廃線とならないよう、JR西日本へ働きかけています。
新しい取り組みの話題もご紹介しましょう。JR東日本が6日に発表したのは、「ラウンドアバウト」の実証実験。海外発祥の信号のない交差点で、近年では日本の道路でも導入されつつありますが、同社が実験的に導入するのは、道路ではなく駅。構内の混雑緩和のため、旅客流動をコントロールしようという試みです。
実証実験を実施するのは、新宿駅南口のコンコースのうち、13・14番線の階段付近。ホームから各方面へ乗り換える利用者と、小田急線乗換口からの利用者が交錯しないよう、エレベーターを中心に、反時計回りに一方通行とします。同社によると、駅構内でのラウンドアバウト導入は、世界的に見ても珍しいということ。この取り組みが定着するのか、他の駅にも普及するのかが注目されます。