鉄道模型ブランド「KATO」を展開する関水金属は20日、鶴ヶ丘新工場内に建設中の保存鉄道「KATO Railway Park・関水本線」について発表しました。
新工場は、埼玉県の鶴ヶ島市鶴ヶ丘地区に建設している、敷地面積3.25ヘクタールの施設。関水金属では、鶴ヶ島市と締結した包括連携協定に基づき、新工場敷地内の緑地と隣接する鶴ヶ丘児童公園を「イングリッシュ・ナチュラル・ガーデン」として一体的に再整備する計画を進めています。
この新工場の外周とイングリッシュ・ナチュラル・ガーデンには、軌間762ミリと610ミリの三線軌条によるナローゲージ保存鉄道「KATO Railway Park・関水本線」を整備。新工場を一周する約620メートルの単線路線で、機関庫を併設する駅を一つ設置します。また、機関庫とは別に、工場に隣接するナローゲージ展示室も建設。シンボルとなるナローゲージ車両を保存展示するといいます。
保存鉄道では、国内外各地から譲受した車両を運行します。
軌間762ミリの車両としては、蒸気機関車「OLIVER(オリバー)」号、ディーゼル機関車「BILLY(ビリー)」号を導入。OLIVER号は、1948年にベルギーで製造された車両で、かつては台湾糖業公司で使用されていたもの。1986年からは長野県内の観光施設「野辺山SLランド」で動態保存されていました。BILLY号は、関東特殊製鋼で使用されていた酒井工作所製の車両です。このほか、野辺山SLランドで使用されていた客車も、改造し活用するということです。
また、同じく軌間762ミリの車両として、新交通システム転換前の西武山口線で使われていた蒸気機関車532号、木造客車34号、蓄電池機関車と遊覧客車「おとぎ電車」を導入し整備。蓄電池機関車は動態保存車両として使用する予定だといいます。
軌間610ミリの車両としては、蒸気機関車「OSCAR(オスカー)」号を導入します。こちらは動態保存車両ではなく、鉄道愛好家団体である羅須地人鉄道協会のTiny Engineeringによって製造されたもの。英国の2軸タンク式機関車からインスピレーションを得たという、オープンキャブの機関車です。
鶴ヶ丘新工場の保存鉄道は、2024年度中の完成を予定。保存鉄道部分は安全が確保される場合のみの公開ですが、隣接する鶴ヶ丘児童公園のエリアは常時入園可能となります。