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自動で走る新交通システムにも「隠された運転台」が そのレアな出番はいつ?

2023年8月15日(火) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

ゆりかもめやポートライナーなど、多くの新交通システムの路線では、運転士が乗務しない無人運転が行われています。そのため、一般の鉄道であれば運転士が座る先頭部には客席が設置されており、前面展望スポットとして人気を集めています。

自動運転で走るゆりかもめ。先頭部の座席は人気の前面展望スポットです
自動運転で走るゆりかもめ。先頭部の座席は人気の前面展望スポットです

しかし、車両やシステムが故障した際などには、無人運転路線でも運転士による手動運転が行われれることがあります。そのため、先頭部の座席の前には、実は運転用の機器が隠されているのです。

普段はカバーに覆われている運転台は、蓋を開けてみると普通の鉄道車両と同じような構成。アクセルやブレーキに相当するマスコンハンドルや、速度計、ドア開閉用のボタン、無線機など、運転に必要な機器はひととおり装備されています。

ゆりかもめ7500系の運転台。普段はカバーで隠されています
ゆりかもめ7500系の運転台。普段はカバーで隠されています

自動運転の新交通システムで手動運転が必要となるのは、先述したように異常発生時に限られます。しかし、トラブル発生時にいきなり「運転せよ」と言われても、普段運転士が運転していないと、技量が落ちてしまっているかもしれません。そこで、自動運転の路線であっても、運転士役の社員は、定期的に手動で運転する機会が与えられ、技量を維持しています。この際はせっかくの前面展望座席は封鎖されてしまうのですが、普段は見られない手動運転とあって、逆にレアな光景かもしれません。

ちなみに、自動運転路線で運転士に任ぜられている社員は、普段は別の仕事、たとえばゆりかもめの場合は駅員の業務に就いています。社員を兼任させることで、省力化と異常発生時の柔軟性を両立させているのです。

 

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