鉄道コム

鉄道コらム

置き換えとともに、消えゆく座席 楽しむならいまのうち、総武快速線のクロスシート

2023年9月9日(土) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

総武快速線では、2020年より新型車両(E235系1000番台)の投入が続いています。2023年8月現在の在籍数は、11両連結の基本編成が28本、4両連結の付属編成が26本。基本編成51本、付属編成44本の陣容だった既存のE217系の置き換えも、いよいよ折り返し地点に入りました。

この置き換えのなかで消えていくもののひとつが、普通車のクロスシート。近い将来、E235系への置き換えが完了すると、総武快速線はグリーン車を除き、ロングシートの車両に統一されることになります。

E217系に設置されている、普通車のクロスシート
E217系に設置されている、普通車のクロスシート

総武快速線は1972年、東京~錦糸町間の開業とともに、運転を開始しました。113系、E217系と続き、いま増備されているE235系は、一般用車両としては3代目にあたります。初代の113系は片側3扉の車両で、基本的な座席配置は、扉間に2組のクロスシートを設置するというものでした。E217系では片側4扉に仕様が変更され、座席も多くがロングシートに変わったものの、基本編成の9~11号車(千葉・成田空港寄りの3両)だけはクロスシートが残りました。そして、E235系では普通車を全車両ロングシート化。勢力を縮めながら約半世紀続いた総武快速線のクロスシートも、いよいよ終焉を迎えることになります。

置き換えが進むE217系。総武快速線を走る一般車でクロスシートをもつ、最後の形式になるのでしょうか
置き換えが進むE217系。総武快速線を走る一般車でクロスシートをもつ、最後の形式になるのでしょうか

E235系をオールロングシートとしたのは、混雑への対応が大きな理由とされています。「時代の流れ」と言ってしまえばそれまでですが、クロスシートがないのは少し寂しいな、と、筆者は思うところでもあります。なお、直通先の横須賀線では、乗り入れてくる「湘南新宿ライン」の車両で、今後も普通車のクロスシートを楽しむことができます。

次第に数を減らしているE217系ですが、現状、狙わなければ会えないほどの少数派ではありません。それなりの確率で乗れるいまが、お名残り乗車のよい機会といえるでしょう。クロスシートで総武快速線の旅を楽しみたい方は、ぜひお早めに。

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

鉄道コムおすすめ情報

画像

特急などの「座席反転率」

乗っていたら、いつの間にか座席の向きが逆に……。そんな特急・観光列車をご紹介します。

画像

出世した元一般型車両たち

特急・観光列車用に改造された、元一般型車両たち。大出世したさまざまな車両をご紹介します。

画像

「青胴車」2025年2月引退

阪神最後の「青胴車」5001形が、2025年2月にラストランと発表。12月以降はイベントを開催。

画像

ドクターイエロー2本並び

10月末に開催された、浜松工場のイベント。ドクターイエロー2本がならんだ模様などをご紹介。

画像

東武の車両「記録推奨度」

この車両、いつまで走る? 引退が危ぶまれる車両や、見た目が変わりそうな車両をご紹介。今回は東武編です。

画像

12月の鉄道イベント一覧

2024年も残りわずか。師走の鉄道旅行や撮影の計画には、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。

画像

イベント投稿写真募集中!

鉄道コムでは、臨時列車や基地公開など、さまざまなイベントの投稿写真を募集中! 投稿写真一覧はこちら。