8月27日、宇都宮で新しい路面電車「芳賀・宇都宮ライトレール」が開業します。これまでに路面電車が走っていなかった地域での開業のため、周辺地域のドライバーの皆さんには、これまで使う機会がなかったかもしれない、路面電車にまつわる交通ルールの知識が必要になってきます。
路面電車にまつわるルールは、教習所で必ず習っているはずなので、覚えていなければならないはず。ですが、ここで改めておさらいしてみましょう。
「黄色の矢印信号」の意味は?
クルマの免許を持っていて、「青色の矢印信号」の意味を知らない人はいないでしょう。矢印が示した方向に限り、車両(自動車)は進むことができる、という意味です。
では、「黄色の矢印信号」は、どのような意味でしょうか?これは、矢印が示した方向に向けて、路面電車は進むことができる、という意味。形は似ていますが、赤信号とこの表示の組み合わせとなった場合、クルマは進んではいけません。
ちなみに、芳賀・宇都宮ライトレールでは、この信号表示に慣れていない人が多いことを想定してか、路面電車用の信号には「電車用」の補助標識が付けられています。
路面電車の線路の上は走っていい?
多くの路面電車では、道路の中心を走ります。では、クルマは路面電車の線路の上を走っていいのでしょうか?
答えはNG。例外を除き、線路上を走ると交通違反になります。例外となるのが、右折や横断などで線路を横切る場合。ほかにも、危険防止のためにやむを得ない場合には、線路上を走っても許されます。
さらに、宇都宮にはありませんが、「軌道敷内通行可」の標識がある区間では、線路上を走行しても問題ありません。ただし、後ろから路面電車が接近してきた場合には、他の車線に移る必要があります。
なお、コンクリートやアスファルトで舗装している通常の道路に対し、路面電車のレールは鉄製です。降雨時などには滑りやすくなっているため、線路上を通る際には注意して走行してください。
歩行者保護も忘れずに
路面電車が乗降扱いのために停車している際には、乗降客=歩行者を巻き込む事故を起こさないことが重要です。
路面電車の停留場プラットホームは、道路交通法では「安全地帯」と呼ばれています。ここで路面電車を待っている旅客がいた場合には、クルマは徐行して進まなければいけません。乗降中の路面電車が停車している場合には、路面電車から1.5メートルの間隔をあけて徐行する必要があります。さらに、安全地帯の左側と前後10メートルでは、駐停車が禁止されています。
今では数は少なくなりましたが、この安全地帯がない停留場では、路面電車が乗降中だった場合、車両は手前で停止する必要があります。いずれも、歩行者を保護するために定められている決まりです。