鉄道コム

鉄道コらム

95歳の長老の今後に、ただよう暗雲 阪堺166号車、運用離脱か?

2023年9月15日(金) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

2023年9月16日、17日に、阪堺電気軌道で161形車両の撮影会が開催されます。そのプレスリリースを見ていると、撮影会の内容の部分に気になる記載がありました。

「166号車(現在休車中)」

161形は、阪堺の最古参車両。デビューは1928年。今年で95歳という長老です。2023年現在、定期列車に充当される日本一古い車両としても知られています。最大で16両を数えましたが、老朽化もあり、近年は廃車が進行。2023年初頭の時点では4両が現役で残り、冬場を中心に運用されています(冷房がないため、夏は動きません)。166号車は、4両ある現役車両のうちの1両で、1世紀近くも大阪の地を走り続けてきました。

そんな166号車が、休車中……?

2023年夏現在、休車中の166号車。2020年以降は、「ビークル・スター」と呼ばれる、1980年代の試験塗装をまとっています
2023年夏現在、休車中の166号車。2020年以降は、「ビークル・スター」と呼ばれる、1980年代の試験塗装をまとっています

鉄道車両の「休車」とは、なんらかの事情で営業運転などに使用せず、一時的に車両基地などで保管している車両のこと。車両の検査の都合などで、こうした措置をとることがあります。そして、「車両に不具合が起こり、走れる状態にない場合」にも……。

2014年春時点で、161形は7両が在籍していました。しかし同年、165、168、170の3両が、相次いで休車に。その後、彼らは運用に復帰することなく、そのまま静かに引退していきました。古い161形は、部品供給などの問題もあり、ひとつの不具合が致命的になることもあるのです。こうした過去の事例もあるため、今回、166号車の休車が事実上の引退にならないか、筆者はとても心配しています。

「現役稼働年数100年」という前人未到の記録が目前に迫る、161形。しかし、その大記録を4両で迎えることは、もう難しいのかもしれません。はたして、166号車は無事に復帰してくれるのでしょうか。

2013年に製造された1001形「堺トラム」と行き交う166号車。年齢差85歳の共演も、もう叶わないのでしょうか……?
2013年に製造された1001形「堺トラム」と行き交う166号車。年齢差85歳の共演も、もう叶わないのでしょうか……?

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

関連鉄道イベント情報

鉄道コムおすすめ情報

画像

鉄道動画の撮影・編集のコツ

近年のカメラは、動画撮影機能も超充実! 鉄道カメラマンの助川康史さんが、鉄道動画の撮影のコツや編集方法などをご紹介します。

画像

「TX-4000系」導入検討

首都圏新都市鉄道が中期経営計画を発表。8両編成化事業の一環として、「TX-4000系」の導入も?

画像

西武が導入する「中古の新車」

小田急時代とどこが変わった?西武が導入する「サステナ車両」第一陣の8000系が報道公開。他の西武車の情報も。

画像

東急9000系が「赤帯」に

大井町線用の東急9000系9001Fが、デビュー時の正面「赤帯」デザインに。4月12日に運転開始。

画像

【PR】「リセマラ」推奨⁉ のデジタルスタンプラリー

ランダム性が楽しい若桜鉄道のスタンプラリー。豪華な賞品もある企画を体験しました。

画像

4月の鉄道イベント一覧

いよいよ新年度。鉄道旅行や撮影の計画は、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。