2023年9月16日、17日に、阪堺電気軌道で161形車両の撮影会が開催されます。そのプレスリリースを見ていると、撮影会の内容の部分に気になる記載がありました。
「166号車(現在休車中)」
161形は、阪堺の最古参車両。デビューは1928年。今年で95歳という長老です。2023年現在、定期列車に充当される日本一古い車両としても知られています。最大で16両を数えましたが、老朽化もあり、近年は廃車が進行。2023年初頭の時点では4両が現役で残り、冬場を中心に運用されています(冷房がないため、夏は動きません)。166号車は、4両ある現役車両のうちの1両で、1世紀近くも大阪の地を走り続けてきました。
そんな166号車が、休車中……?
鉄道車両の「休車」とは、なんらかの事情で営業運転などに使用せず、一時的に車両基地などで保管している車両のこと。車両の検査の都合などで、こうした措置をとることがあります。そして、「車両に不具合が起こり、走れる状態にない場合」にも……。
2014年春時点で、161形は7両が在籍していました。しかし同年、165、168、170の3両が、相次いで休車に。その後、彼らは運用に復帰することなく、そのまま静かに引退していきました。古い161形は、部品供給などの問題もあり、ひとつの不具合が致命的になることもあるのです。こうした過去の事例もあるため、今回、166号車の休車が事実上の引退にならないか、筆者はとても心配しています。
「現役稼働年数100年」という前人未到の記録が目前に迫る、161形。しかし、その大記録を4両で迎えることは、もう難しいのかもしれません。はたして、166号車は無事に復帰してくれるのでしょうか。