2023年9月7日、京急1000形第22次車の営業運転が始まりました。6両編成を組み、番台区分は1500番台。番号の重複こそありませんが、既存の「1500形」と同じ番台を新型車両が名乗るという、珍しいかたちでの増備となりました。
新1500番台の外観は、同じ1000形の17~19次車(ステンレス全塗装車両)に「Le Ciel」こと1890番台の要素を盛り込んだような形態。1994年に登場の600形から続く「バルーンフェイス」を引き継いでいますが、ライト類の形状が違うため、その表情は従来車両と異なる印象を受けます。
この編成と入れ替わりで運用を離脱したのが、京急の最古参形式である1500形の1561編成。置き換える側の新型車両と置き換えられる側の旧型車両の番台が同じという、これまた珍しい事象です。また、1500形のうち、車体がアルミ製・制御方式がVVVFインバータである車両の廃車は、事故などによるものを除いて初めてのことです。
京急は2022年の設備投資計画にて、「省エネ⾞両への代替による使⽤電⼒量の削減」を掲げています。エネルギー効率のよい車両を入れることで、環境負荷を軽くすることが狙いのようです。当時の発表では、1500形の界磁チョッパ制御車をVVVF制御の1000形に置き換えることで、エネルギー使用量を約37%削減できるとしていました。今回置き換えられた1500形はVVVF制御車ですが、これは車両の経年などの都合によるものでしょう。
また京急は、2023年の設備投資計画にて「8両編成と6両編成を1本ずつ(車両を)代替新造する」と発表しています。6両編成は今回デビューした新1500番台ですが、まだ8両編成の増備が残っています。現状、京急の8両編成で一番古い車両は1500形1700番台ですが、これが置き換えられるのでしょうか。また、置き換える1000形の番台区分や車体スタイルがどのようになるのかも、気になるところ。1500形の廃車が本格的に進みそうないま、その置き換え劇の方向性に、あらためて注目です。