東武野田線(東武アーバンパークライン)や郊外のワンマン路線を中心に運用される、8000系。現在は200両前後が在籍していますが、全盛期には700両以上を数えた、大所帯の形式です。
「8000系」という形式ですから、当然、車両の番号は8000番台です。が、一部の路線では、同じ見た目で80000番台の車両が走っています。番号だけを見ると、「80000系」という別の形式であるように見えますが、じつはこれらも同じ8000系です。なぜ車両番号が5桁の車両が在籍しているのか。その理由は、8000系の数の多さと、形式分類の法則にあります。
8000系は、編成両数や車両に搭載している機器の違いなどで、百の位の番号が異なっています。ここを見れば、その車両が積んでいる機器の種類などを簡単に判別できるというわけです。8000系では、4両編成以上の場合、片側の先頭車両は8100番台、反対側の先頭車両は8400番台になっています。十の位と一の位で製造された順番を示しているのですが、増備が進むと問題が発生しました。各先頭車の数が100両を超え、8100番台と8400番台だけでは番号が足りなくなったのです。
通常なら百の位を繰り上げて対応しますが、8000系には8200番台と8500番台の車両がすでに存在しており、続き番号で通すことができません。そこで、番号の桁数を増やし、80000番台を名乗るようになったのです。
しかし、番号の桁数こそ違うものの、形式が8000系であることは前述のとおりです。その読み方も独特で、たとえば81109号車は、「八万一千百九」ではなく「八千百の百九」と読みます。
ちなみに、東武8000系の一族には、番号が1桁少ない800番台の車両も走っています。これは、運用の都合上、8両編成を3両編成2本(残った2両は廃車)に分割し、一部の中間車に運転席を後づけした車両。こちらは「800型」「850型」など、一般的な読みで呼ばれており、80000番台のようなトリッキーな読み方はありません。