鉄道コムと鉄道旅行誌「旅と鉄道」は、共同企画として「私の好きな〇〇」の投票を実施しています。
今回ご紹介するのは、2023年7月24日から8月20日まで実施した「私の好きな『デザイナーズステーション』」。列車に乗り降りするための駅は、著名な建築家やデザイナーにより、時には美しく、時には大胆なデザインで建設されることもあります。デザインが特徴的な駅に対する人気投票で上位を獲得したものを、投票者のコメントとともにご紹介します。
3位を獲得したのは、古都・京都の玄関口である京都駅。現在の駅舎は4代目で、1997年に開業しました。原広司さん設計のこの駅舎は、ガラスを多用した近未来的なデザイン。特に開業当初は賛否両論だったようですが、今は駅前の京都タワー同様、京都の風景として受け入れられているのではないでしょうか。また、この駅舎の中には、1階から屋上まで繋がる大階段や、高層階をつなぐ「空中径路」があります。コメントでは、「近未来感あってカッコいい!」といったデザインへの評価や、「巨大階段が凄い」など、この駅の特徴に触れたものが寄せられました。
2位となったのは、山手線・京浜東北線の高輪ゲートウェイ駅。周辺の再開発計画の一環で2020年に開業した、山手線で最も新しい駅です。隈研吾さんがデザインした駅舎は、折り紙をモチーフとしたという白い大屋根を設置。側面も大きなガラス張りとし、ホーム階も含めた駅全体で、開放的な空間を演出しています。ユーザーの声では、「開放的で未来的であり楽しい」などと、その設計の新しさを評価するコメントが多く見られました。
そして1位を獲得したのは、日本の代表駅とも言える東京駅でした。1914年に開業した東京駅では、当時から辰野金吾設計の赤レンガ駅舎が使われています。一時期は高層ビルへの建て替え計画もあったというレンガ駅舎ですが、文化的価値が見直され、近年では大規模な復原工事も実施されました。ユーザーからのコメントでは、「日本の玄関口にふさわしい歴史あるレンガ造りの駅舎」「高級感がある」などと、やはり丸の内側のレンガ駅舎を評価する声が多数寄せられました。
一方で、レンガ駅舎とは反対側の八重洲口では、国鉄時代に建設された駅ビルが2000年代に取り壊され、現代的な大屋根のある駅舎へと建て替えられました。「丸の内側と八重洲側とで、新旧の対照的な駅舎のデザインが見られる」と、歴史が交わる東京駅ならではの駅舎に対してのコメントも見られました。